[日誌]5月4日『木星のおおよその大きさ』1

5:30

犬飼さん、山科さん、近藤さん、小林が集合する。

5:32

浅井さんが来る。犬飼さんが台本を配る。山科さんがクッキーのようなものを食べている。

犬飼さんが配役を発表する。それを受けて全員台本に目を通す。

5:36

沈黙の中、犬飼さんが「一回読んじゃってもいいですかね」と言う。

近藤さんが「ずっと喋ってんな俺」と、そのセリフ量の多さに困惑した様子を見せる。

犬飼さんが「その前に恒例の話しますね。毎回初めての稽古の時にしてる話なんですけど」と、ホワイトボードに図を描きながら説明する。すでに記述があるので割愛。(https://astronautsboard.com/mokusei/2018/04/07/0407_01/

5:40

犬飼さんの説明が終わる。「じゃあすみません 一回読みましょう」

5:42

座った状態で読み始める。

役者の3人は部屋の中央に形のいびつな円を作って座っている。近藤さんは椅子に座って台本を手に持って読んでいて、浅井さんは床にあぐらをかき台本を手に持っている。山科さんもあぐらをかいているが台本を下に置いているので、視線は下を向いている。犬飼さんは部屋の隅で立ったままパソコンの画面(おそらく台本)を見ている。小林も部屋の隅であぐらをかいて座り、台本を見ながら適宜パソコンにノートを取っている。

5:54

終わると開口一番、近藤さんが「延々喋ってる やばい」と笑った。全員笑った。

山科さんが時間的にはこれくらいなのかと聞くと、犬飼さんは20分のつもりで書いていたが15分くらいだろうと思っている。今回は12分だったことを小林が伝えると、問題はないだろうという感じでまとまる。

山科さんが、「歯を磨くシーンがあるが(というか終始そうなのだが)歯は実際に歯ブラシで磨くのか?」と尋ねる。犬飼さんはまだ決めかねているようで、いくつかアイデアを伝えた後で「ちょっとやってみてからかなと思います」と言った。

5:57

近藤さん「ほとんどモノローグだよね」

犬飼さん「そうですか?」

近藤さん「あ でもそれを受けて話変わるのか」

長々と話をする近藤さんとそれに相槌を打つ浅井さんと山科さん、というのが全体の構造だが、彼らの関係性は「話を聞いている」「話を聞いていない」のどちらにも属さない、間にある。

犬飼さんが「もう一回じゃあお願いしてもいいですか?」と言う。

5:58

犬飼さんは今度はパソコンではなく役者を観ている。

山科さんが、会話に入らないときは外に向きボールペンを持って口元に近づけている。歯ブラシに見立ててるのか。近藤さんと山科さんは頬杖をつき、時折近藤さんは左手で、山科さんは右手で唇に触る。

だんだん身振りが増えてくる。

近藤さんは、語りのシーンで手を動かしたり大きく仰け反りながら話す。声量も上がってきた。山科さんは、困惑したシーンで前髪をかきあげる。あぐらから右膝を立てる。

6:11

読み終わる。

犬飼さんが「いいお話ですね。」と言う。全員笑う。

犬飼さんが浅井さんへ、「平山さんへのへこへこ感が欲しい」と指示を出す。山科さんへは少し考えた後「今の感じで」と言う。

近藤さんが犬飼さんに「演技の方向性はこんな感じでいいの?」と聞く。犬飼さんは「(とりあえずは)こんな感じで。」と答える。それに返す形で犬飼さんが近藤さんに「こちょこちょのくだりは、男子校のノリっぽい感じでお願いします。今は、アダルトなこちょこちょなので、もう少し子供っぽく。」と言う。

もう一回。

6:15

読み始めてすぐ犬飼さんが止める。

序盤の浅井さんと山科さんのシーンで、浅井さんに「(もっと)偉そうに。」の指示を出す。

再開。

浅井さんの近藤さんへのへこへこ感がすごい。山科さんは耳を触ったり足を触ったりしながら歯ブラシに見立てたボールペンを動かす。口を少し開いている。

近藤さんは台本のテンションをつかみ始めたように見え、嫌な感じの上司感が漂う。

6:29

犬飼さんが、あるセリフについての説明とセリフの変更をする。また、全体として「『男はこうあるべき』を強調することによって、『そういうのってどうなの?』という感じにしたいので、もっとあざとく強調してしまっていい。」と指示を出す。

犬飼さん「休憩してから、立ってやってみましょう。」

6:33

休憩。

6:46

立ち位置を決めるところから始める。

犬飼さんが、「トイレで用を足すマイムなんですけど、こう、ダンサブルに」と話す。「動きを合わせるっていうことですか?」と近藤さん。「そういうことでもなくて、リアルにっていうことでもな」くて、「動きの気持ちよさ」だと話す。

立ち位置が決まる。前のシーンとの繋ぎの確認をする。

6:57

立った状態で読んでみる。

7:00

山科さんが歯ブラシで歯を磨き始めるところで、犬飼さんが止める。「歯ブラシ問題」が再び議論される。

「磨く振りではなく、口元に持って来るだけにしてみる」「実際に磨いてみますか?唾液だったら飲めばいいですよね」など意見が飛び交う中、犬飼さんの「とりあえず、歯を磨く動作をゆっくりにして、磨きながら2人の話を聞く感じでお願いしてもいいですか」で落ち着く。

7:08

立った状態で読んでみる。

7:23

読み終わる。

犬飼さんが「すごい、夜空が見えるんですよね。空間ワープみたいな。」と終盤のシーンで感動した様子を見せる。近藤さんはそんなこと気にしていられない様子で「セリフ忘れたら誰も助けてくれないよな〜〜」と笑う。全員笑う。

犬飼さんが、「マレビト(の会)の影響でマイムができるようになったっていうのは大きいですね」と話す。「今までは、トイレで用をたす、っていうのをできなかったんですよ。でもマレビトを見て、ここまでやっていいんだと思って。」そして「もう一回やりましょうか」。

7:34

立って読み始める。

犬飼さんは、ノートに赤ペンで何かメモをしている。

7:49

終わる。

犬飼さんが細かいセリフの言い方の演出をする。また話には直接関わらないような設定について話す。

7:56

休憩。

8:11

もう一回立ってやってみる。

8:28

終わる。

近藤さんが山科さんの役名を何回か言い間違える。犬飼さんが「だんだん頻度上がってきてるんで。」と言い、浅井さんが「何で増えるんだよ。」と小さくツッコミを入れる。

犬飼さんが、今の感じがとてもいいことを説明する。「バックグランドには何もない 何もない場所でやっているのに っていうギャグの要素もちょっとある 第3場は特に顕著で、人物名がいっぱい出て来るけど それはもはや人物名をいっぱい言いたいためだけの(ギャグの)芝居になっている だけど今は(ギャグではなく)ドラマに見えているし それをギャグに持って行くために白々しさを出す必要もない 他の場はもっと抽象的なのでハリボテ感がある そういう意味でこの場は全体から浮いているけれど それはいいこと。」

8:47

最後にもう一回立ってやる。

9:03

終わる。

犬飼さん、セリフの追加や言い方の演出をする。

9:25

稽古終わり。解散。

1998年生まれ 千葉県出身 上智大学文学部哲学科在学中 過去作に『ディスプレイには埃がたまっている』(wwfes2018 演劇コンペティション「演劇のデザイン」参加作品)